憑依の解放 多次元セラピーならではのトランスパーソナルな探求と癒し
憑依って何? 憑き物払いとサブパーソナリティ
多次元セラピーには
「憑依」という考え方があります。
たとえば、その方の心身に不調が起こっている時、
否定的な影響を及ぼしている原因を
「その方に属していない何らかのエネルギー」と考え、
その作用を「憑依」と呼んでいます。
その方に属していないエネルギーの作用とは、
どんなものでしょうか?
日常、よく見かけるケースを挙げてみましょう。
たとえば、親しい友人が辛い境遇にあり、
深刻な悩みを打ち明けられると、
まるで自分自身の問題であるかのように、
心が重苦しくなってしまうものです。
友人の苦悩や悲観的な気分に無意識に染まっているような時、
友人のエネルギー、即ち自分のものではないエネルギーが、
その方に「憑依」しているととらえることができます。
また、ご家族に受験生の方がいると、ご両親やご兄弟も、
緊張感が生まれ、何となく張り詰めた気分が続いていくことがあります。
こんな時、親・兄弟は、
自分が受験に直面しているわけではないにもかかわらず、
共感や心配、気遣い、
遠慮などから、
受験を間近に控えている家族と同調が起こり、その影響を受けて、
受験生と同じ心境となることがあるものです。
この場合の「憑依」とは、本来、自分のものではない
受験生の思いから受ける影響ということになります。
受験が無事に終われば家庭内の雰囲気が自然に和らぎ、
心から笑ったりはしゃいだりすることができるようになるでしょう。
問題の原因を理解して癒すために 多次元セラピー手法としての「憑依」
「憑依」という考え方を使うと、
さまざまな問題を解決するのに役立つことがあります。
何か問題や不調がある時、
「なぜ問題や不調が起こっているのか?」
記憶をたどり、あれこれと考えを巡らせてみても、思い当たることがなく、
その方自身には原因がわかりません。
そこで、とりあえず何らかの原因があると仮定して、
その原因を「憑依」とみなすのです。
「憑依存在」が憑依することで、
問題や不調が起こっているわけですから、
憑依存在と向かい合い、対話をしながら、
なぜ問題を起こすのか、その動機や理由について、
直接、質問を投げかけていきます。
つまり、よくわからない問題の原因を、
その方の外側に取り出して向かい合い、
対話ができるような形にするわけです。
すると、憑依存在には、
憑依存在なりの思いや目的があることがわかり始め、
どうしたら解決や改善に向かうのか、
その方に否定的な影響が及ばなくなるのかが、
少しずつ明らかになっていきます。
憑依存在の思いと目的とは、
どのようなものなのでしょうか?
それを知るためには、
まず憑依存在の正体を知ることが役立つでしょう。
憑依存在の正体 憑依の動機・目的 憑依存在の思いを理解すると…
憑依存在とは、一体どのようなものなのでしょうか?
憑依存在や憑依という言葉から連想するのは、
超自然的現象、浮遊霊、霊障、
何か異常で恐ろしい体験… かもしれません。
憑依存在などとという怪しいものが本当にいるのかと不可解に思われ、
不安に圧倒されてしまうおそれもあります。
実際に個人セッションで出会う憑依存在には、
さまざまなものがあります。
たとえば、その方に強い影響力を持つ誰か、
両親、家族、職場の上司、先生、指導者、
支配的、優越的な立場にある知人など。
この場合、憑依存在は、その方がよく知っている人間、
あるいは投影されたその人間の思考や
感情エネルギーということになります。
たとえば、以前お付き合いをしていて、
現在は疎遠になっている相手が、執着や恨み、嫉妬などを
投げかけてくるようなケースも想定できるでしょう。
また、特定の団体や宗教組織などのリーダー的存在が、
支配欲にかられてつなぎ止めようとしたり、
思い通りにコントロールしようとしたりする場合もあるでしょう。
憑依存在の思いや主張は、身に覚えがあるかもしれませんし、
全くの誤解や勘違い、言い掛かりや逆恨みであるかもしれません。
その方にとっては、予想外の憑依であったかもしれませんが、
相手の正体が判明してみると、
憑依存在なりの動機や目的があったことが理解でき、
納得できることもあるでしょう。
見知らぬ存在による憑依 共感 と 同調、 親和性
知人、友人、親族などとは異なる種類の憑依存在としては、
その方が一度も出会ったことのない、
見ず知らずの他人の思考や感情エネルギーがあります。
知らない誰かが、なぜ憑依してきたのかと、
訝しく思われるかもしれませんが、
実は、その方と、憑依存在のエネルギーとは、
共通性または類似性があり、無意識の同調から、
いわゆる憑依が起こってしまうことがあるようです。
たとえば、気分が落ち込んで鬱々としているような時、
同じように鬱々とした暗いエネルギーが同調して、
その方の中に入り込んでしまうことがあります。
そうなると、本来はその方のものではない別人の
暗いエネルギーが、その方の元々のエネルギーに加わって
鬱的気分が加速的に増し、重くて暗い気分を
コントロールすることが困難となっていきます。
よく知っている誰か、あるいは見知らぬ存在、
いずれにしても、憑依存在の思いを受容し、
理解し、癒すことができます。
すると、憑依存在のエネルギーは、
その方の心から解放され、影響を受けることがなくなり、
問題は改善に向かうのです。
さらにもう一つ、メリットがあります。
多次元ヒプノセラピーにおいては、
憑依存在側の動機がわかるだけでなく、
憑依が起こった時点での
その方の状況や心境を知ることができます。
どのような状況が「憑依」を招いたのかを理解できると、
二度とそうならないように心がけ、
必要な対策を講じることができるようになっていきます。
憑依は本当に起こるの…? 憑き物払いをどう考えたらよいか
「憑依」は実際に起こるものなのでしょうか?
退行療法の手法である多次元セラピーは、
問題の起源に退行し、出来事や状況の詳細を探求して、
効率よく原因を突きとめ、解放と癒し、カタルシスを目指します。
解放と癒しをもたらすために、
憑依という考え方の枠組みはたいへん役に立ち、
セラピーのプロセスを促してくれるのです。
憑依や憑依存在が、実際に在るのかどうかということは、
おそらく検証ができませんが、
実は、どちらでもよいことかもしれません。
状態が改善され、望む変容が起こるならば、
憑依存在なるものを想定し、癒しのための装置や手続きとして、
憑依の解決=憑き物払いを活用したらよいのです。
前世療法 においては、
前世や輪廻が実際に在るか否かはさておき、もう一つの異なる人生
(いわゆる前世)のイメージを体験することで、癒しが起こり、
気付きを受け取ることができます。
「憑依」についても、同様に考えることができます。
憑依存在 と サブパーソナリティ の関係
ヒプノセラピーには、
「サブパーソナリティ」というセッション(メニュー)があります。
多次元セラピーの憑き物払いは、
問題の原因を憑依存在ととらえ外在化するという点で、
サブパーソナリティのセッションと似ています。
サブパーソナリティとは副人格。
一人の人間には、複数の副人格があります。
たとえば、やりたいことがあるのに、
すぐに取りかかることができず、
つい、先延ばしにしてしまうAさんがいるとしましょう。
Aさんは、この問題を解決したいと願い、
さまざまな努力を続けてきましたが、
どうしても先延ばしを止められず、
なかなか思うように行動できません。
このような時、するべきことに着手して、
てきぱきとこなしたいと考えているAさんに対して、
いつまでも手を付けず、放置して先延ばしにしている
Aさんのサブパーソナリティ(複人格)がいると仮定し、
なぜAさんを妨害しているのか、
サブパーソナリティにたずねてみるのです。
サブパーソナリティの言い分をよく聴いて、
お互いの意見を十分に交換し合います。
折り合える一致点を見出し、
サブパーソナリティと協力関係を築くことができると、
目指す目標に向かって、両者が一致団結して、
効率よくスムーズに前進することができるようになるのです。
サブパーソナリティと憑依存在。
セッションをしてみると、
どちらも原因不明の不調や問題の
真の「原因」となっていることがあります。
しかしながらサブパーソナリティと憑依存在には、
はっきりとした違いがあります。
サブパーソナリティは副人格、その方の心の一部です。
その方を妨害したり邪魔したりしているように見えたとしても、
実は、その方のことを思いやり、よかれと思って
一生懸命行動してくれているのです。
それに対して、その方に属していないのが、
憑依存在ということになります。
その方の意向や望みとは全く関係のない志向や情念を持ち、
必ずしも良い意図を持っていないこともある存在です。
サブパーソナリティと憑依存在は紛らわしく、
判別が難しいことがありますので、
セッションでは、混同しないように
注意深く進めていく必要があります。
ヒプノセラピー・多次元セラピーの
「サブパーソナリティ」と「憑き物払い」は、
問題の探求を助け、どちらも癒しの効果が高いだけでなく、
心の奥深さや不思議さを垣間見せてくれるでしょう。
サブパーソナリティ と 憑き物払い を スクールで学ぶ
ヒプノセラピー・前世療法・多次元セラピーのスクール
「ヒプノセラピーマスターコース」では、
サブパーソナリティは、アドバンス・コースの
「サブパーソナリティ」ユニットで扱います。
アドバンス・コースは、自由選択制であり、
基本的にお好きなユニットを選んでいただくものですが、
もしも「多次元上級コース」に進むご希望があるならば、
「サブパーソナリティ」ユニットは必修となります。
「多次元セラピー上級コース」は、
多次元セラピーの基本要素をお伝えするコースですので、その中には
「憑依と憑き物払い」が含まれています。
たとえばクライアントさんのお悩みの原因として
現れてきたイメージが、憑依存在である場合もあれば、
サブパーソナリティである場合もあります。
また、その両方である場合も少なくありません。
サブパーソナリティと憑依存在では、
対応の仕方が全く異なります。
現れたのがどちらであっても、ヒプノセラピストは冷静に対応し、
事前カウンセリングで設定した目標に向かって
的確に誘導し、セラピーを進めていくことが求められます。
セッションを始めてみないことには、
どのような展開となるのかわからないのがヒプノセラピーです。
そこで、どのようなケースにも対応できるように、
あらかじめアドバンス・コースで「サブパーソナリティ」を選択し、
関連知識の理解と実習を経てトレーニングを積んでいただければと
考えています。
スクールの「多次元ヒプノセラピー・前世療法上級コース」では、
実際にあったさまざまなケース事例を
ご紹介しながら進めていきます。
数ある多次元セラピーの手法の中でも、
「憑依と憑き物払い」の手法は、斬新で興味が尽きない、
ユニークかつ優れた手法であることを、日々、実感しています。
とはいえ、スクール受講生の方の中には、
憑依という名称だけで、最初から敬遠される方や、
不要な怖れを持たれる方も無いとは言えません。
多次元セラピーにご興味のある方にも、
プロのヒプノセラピストを目指す方にも、
セラピー手法としての「憑依と憑き物払い」の効果を、
先入観なくご理解いただけることを心から願っています。