多次元セラピー(=新しいトランスパーソナル退行療法)セッション、多次元セラピーのプロ養成スクールで心の癒しと原因不明の不調解放、多次元に渡る魂の探求、自己実現をサポートします。スカイプ・神奈川

死ではなく生きる力と意志へ 空海の言葉

2019年05月03日

先日、東京国立博物館の特別展
「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」に行きました。

東寺には、若い頃、旅行で訪れたことがあるのですが、
今回は、密教の儀式の様子が再現されているなど見応えがあり、
会場は大勢の人で賑わっていました。

私は、真言密教を含め、あらゆる宗教とは距離を置く立場ですが、
歴史上の人物である空海と、「真言」そのものにはたいへん興味を持っています。

ご存じのとおり、空海ゆかりの史跡は全国各地にあり、
いかに多くの人々から慕われ、支えとなってきた存在であるかを
物語っていると思います。

東寺展からしばらくして、
先日、1984年公開の映画 「空海」 (北大路欣也主演) を見る機会がありました。

優れた才能とたゆまぬ努力、密教を学び、広めたいという途方もない情熱と強い意志、
そしてエリートでありながら、常に庶民の生活に意識を向けて、
人々の心に寄り添い支える姿が丁寧に描かれた佳作です。

特に印象に残った場面は、病気で衰弱し、心も弱り果て、
死んでしまったほうが楽になれるという病気の女性に向かって、
空海が言い放った次の言葉です。

“この世で成仏できなくて、どうして死んで成仏などできよう。
生きているうちに、この父母よりもらった身体のあるうちに幸せにならんで、
なんで人は救われよう。” 

この言葉に対して、重い病に苦しむ女性は、
この世はあまりにも辛過ぎると言います。

すると、空海は、さらに重ねて、こう言うのです。

“この世なくして、あの世はないのだ。この世を逃げてあの世はないのだ。
この世で生きながら仏になれ。幸せをつかめ。成仏するのだ。” 

病気や障害の苦しみ、生き辛さ、苦悩、挫折や逆境にあい、
死んだほうがましだと思ってしまうのは、
私たちの誰もが、一度は覚えがあることではないでしょうか?

トランスパーソナルな観点に立ち、
人は死後、魂となり、輪廻して生まれ変わるということを受け入れているとしたら、
むしろ、この辛いだけの人生に、早く幕を引いて、苦しみから解放され、
次の新しい人生でやり直したい…と願うかもしれません。

この人生がどのような人生であったとしても、
いったん死を迎えたのち、再び、産まれてくることが出来るという考え方には、
いろいろなことを「リセットできる」という側面があると言えないこともありません。

けれども、現在の苦しみからは解放されるとしても、
次の転生で、何らかの別の苦しみが襲ってこないとは言い切れません。

そうなった時、またリセットすればよいと考えてしまったら、
その繰り返しがどこまでも続いていってしまうでしょう。

トランスパーソナルな退行療法である多次元セラピーでは、
次の人生の計画を立てる時、その計画の中に、
それ以前の転生で生じたカルマが組み込まれるという考え方をとっています。

カルマとは、やり残してしまったこと、未完了のまま残されたこと。

心残り、後悔、罪悪感、自責、恥などによって、自ら次の転生へ持ち運ぶものです。

生きようとする意志を放棄し、自殺してしまったとしたら、
良いことも、良くないことも、未完了の物事は、次に加算されていく…
というのが、カルマの考え方です。

「死んだほうがまし」というのは、苦しみの極限で出てくる正直な気持ちですが、
本当は、「まし」かどうかには疑問の余地があるわけです。

この人生で取り組もうとしなかった物事は、遅かれ早かれ、
いずれ再び、目の前に現れるかもしれないからです。

「生きているうちに幸せになる」という言葉は、
逃げない、避けない、向かい合う、取り組むという選択から、
自分を少しでも幸せにすることを願い、そこを目指して努力していくこと、
生への意思を持つことだと思います。

もしも、もう一度、この世に生まれ変わってきたとしても、
その時、その人は、今とは別のパーソナリティになります。

人種、性別、性格、ものの考え方、家族構成や文化的な背景が
現在とは異なっている別人です。

そういう意味では、あなたがあなたであるこの人生は、
一度きりなのだと言えるでしょう。

今、これを読んでくださっている方の中に、
死んでしまいたくなるほどの辛さを抱え、
生きる苦しみに圧倒されそうになっている方がありましたら、
このことを思い出して、死ではなく、生きる方向へ舵を取っていただきたいと思います。

この映画の中で、空海は、あの世があるにしても、
この世を生き抜いて幸せになり、救われることを、力強く説いています。

“ … さあ、手を合わせて生きる力を呼ぶのだ。
生きる力を呼び起こし、生きる力に触れるのだ。
この天地や宇宙が生きる力と、この身体に生きる力は同じなのだ。
さあ、手を合わせ、風が吹くように、光が射すように、
心の中に風を呼びよこせ、光を放て!”

宇宙的なスケールの視野、生へのパワフルな意志が伝わってきます。

樹々や生きものたちの生命エネルギー、生への意志は、
純粋で力強く、迷いがありません。

こんなことになるならば、生まれてこなければよかった…などと思わずに、
ここまで生きてきたこの人生、今、生きている人生が、
ここから最善のものとなっていくように、
生き続けて、前に進んでいきましょう。


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