亡くなった方に思いを向ける 死者の霊と多次元セラピー
お盆休みに、故郷へ帰省され、
ご家族、親族、友人などと共に過ごされる方も多いかと思います。
お盆休みといえば、行楽、レジャー、旅行のイメージですが、
亡くなった方の魂を迎える厳粛な節目でもあります。
大切な方を失った悲しみや喪失感は、
簡単に癒えるものではありませんが、
亡くなった方の魂を迎え入れて再会し、親しく集うのは、
見送った者の心の癒しと安らぎにつながるものではないでしょうか?
多次元セラピーでは、突然、この世を去られ、
ゆっくりとお別れをすることが出来なかった方と、
イメージの中でお話をしていただくことが出来ます。
本当は伝えたかったこと、訊ねてみたかったこと、
お礼を言いたかったこと、謝罪したかったこと、
渡したかったものや、一緒に分かち合いたかったことなど、
心残りや後悔の念を伝えて、心が軽くなっていくでしょう。
多次元セラピーには、憑依という考え方があります。
憑依しているもの、すなわち憑依存在には、
幾つかの分類があるのですが、
その一つが、亡くなった方のスピリットです。
亡くなった方は、成仏され、光のもとへと戻っていかれると言われます。
けれども、愛着や執着、残された遺族への気がかりや心配、
守りたいという思いなどがあると、あの世へ帰らずに、
その方のエネルギーフィールド(オーラ)に付着または入り込み、
そこに留まることがあります。
たとえばそれは、最愛の家族や恋人、婚約者、あるいは親友かもしれません。
親密で別れ難い相手が、戻ってきて一緒にいてくれるのなら、
心から歓迎したいと思われるでしょうか?
実は、憑依の状態は、その方にとって、何も良いものを生み出しません。
むしろ有害な影響を及ぼすのです。
たとえば亡くなったご先祖さまが、強い執着を抱いている場合、
憑依を受けたその方は、自分のものではないその執着に
振り回されることになるでしょう。
亡くなった方の願望や感情が、その方のなかに入り込み、
違和感を与え、苦しめることになります。
つまり自分の人生が、自分の人生ではなくなり、
まるで亡くなった方の人生であるかのように変わっていってしまうのです。
たとえ憑依しているのが、亡くなった最愛の恋人であっても、
憑依を受けるとその方のエネルギーや活力が失われ、
慢性疲労のようになったり、
心身の不調が起こったりすることがあります。
大切なその相手に思いを向けて偲んだり、
墓前に集まり、想い出話に花を咲かせたりするのは、
美しく自然な心情ですが、
エネルギーというのは、またそれとは別のものとして、
とらえたほうがよいでしょう。
亡くなった相手のことを、心から大切に思い、
幸せであって欲しいと思うならば、
いつまでも一緒にいたい、
あるいはこの世に近い所にずっと居て欲しいと願うのは、
お勧めできることではありません。
にもかかわらず、どうしても離れがたく感じ、
死を受け入れ難い場合には、
まずはセッションで、その喪失感と悲しみ、寂しさ、無念さを
十分に感じてから手放し、解放することが大切です。
伝えたかったけれど伝えられなかったことを存分に表現し、
亡くなった方のお話も聴いて、
心残りのないように、十分に浸り、嘆くことです。
このように、残された側の心の痛手を、まず癒してあげましょう。
心が癒されていくと、亡くなった方に対する思いにも、
少しゆとりが持てるようになり、
ご自分の悲しみや愛着を越えて、
相手の幸せを考えられるようになっていくものです。
亡くなった方にとっての幸せ…、
それは、この世の一切のしがらみや執着から自由になって、
高い次元に向かって旅立つことではないでしょうか?
トランスパーソナルな観点では、
終えてきた人生を振り返り、必要な休養を取って、
次の転生の計画を立て始めることになります。
残された者の悲しみや愛着が強いと、
魂は、帰るべきところに戻っていくことが難しくなります。
それは人間であっても、
生き物、パートナーアニマルであっても、同様です。
憑依は、憑依を受けた方の人生にとってマイナスであるばかりではなく、
亡くなった方にとっても、次のステップへと歩を進めるのを
阻むことになってしまうのです。
ですから、残されたその方の悲しみが癒されたならば、
亡くなった方をも癒して差し上げることが必要になります。
亡くなった方のとらわれや心配などを和らげ、
魂が本来向かうべき次元へと心置きなく向かえるように、
祝福して、送り出してあげられるとよいでしょう。
感情面、精神面、身体面のあらゆるレベルで
丁寧に癒して、もっと身軽に、自由になれるように促していくのが、
多次元セラピーの憑依の解放です。
憑依というと、言葉の響きから、
怪しげで、恐ろしげな印象を受けてしまうかもしれませんが、
大切な方や愛するペットの魂を、想像してみて下さい。
生きることと死ぬことは、常に私たちの身近なところに存在しています。
魂という目には見えない存在と、エネルギーのレベルで上手に付き合い、
適度な距離感をもって、お互いの幸せを考え、癒し合えるように、
多次元セラピーの憑依の解放を、役立てていただければと思います。