多次元セラピーに守るべきルールはあるの?
このところ、多次元セラピー、ヒプノセラピー、
前世療法スクールの実習や
多次元セラピー研究会などが続いています。
研究生、実習生の皆さまは、残暑厳しい中、熱意をもって
多次元セラピーを探求されており、本当に頼もしく感じます。
スクールのアドバンス・コースの実習は、
習った理論とシナリオ例を参考として、
クライアントをしてくださる方に、
実際にセッションをしてみる貴重な機会となります。
理論を聞いているだけと、それを実際に試してみるのでは、
やはり大きな違いがあります。
ご自分で認識していたことや、理解していたことに、
実は不十分な点や勘違いなどがあった…ということに
気付くチャンスでもあります。
意欲的に取り組む受講生の皆さまの努力と頑張りの結実、
総仕上げとしての実習セッションは、
私にとって、いつも感慨深いものなのですが、
実は、ただそれだけではありません。
お伝えしていることが、きちんと届いていたのかどうか、
言葉不足で誤解を与えてはいないか、
チェックが出来て、今後の解説の改善ポイントに
気付かせてもらえるチャンスとなります。
受講生の皆さまのセッションを見せていただくと、
ほとんどの方に共通と言えるような難所がある一方で、
個性的な問題点やその方だけが陥りやすい落とし穴というものも
はっきりした形で現れてくるのです。
いつも申し上げていることですが、多次元セラピーのセッションでは、
良くも悪くも、恐ろしいほどに、
そのセラピストの人間性が現れてしまうのです。
人生経験値、これまでに乗り越えてきたこと、
未だ乗り越えられていないこと、シャドウ、ウィークポイント、
パーソナリティ特性などが、言葉の端々に表面化してきます。
多次元セラピーを伝えたハンス・テンダム博士が、
セラピーのクオリティを決めるのは、そのセラピストの人間性…
という意味のことをおっしゃっているのも、
深く納得ができるのです。
実習では、その方が、その後の実践において、
ご自分のセラピースタイルを確立していかれるように、
将来に向けてのアドバイスなども差し上げています。
そうすると、今はまだ初心者の方々の場合、
セラピーで「何をしてはいけないか?」という部分に
どうしても意識が向いて偏りがちになります。
多次元セラピー、ヒプノセラピーをするうえで、
「してはいけないこと」が、幾つかあります。
わかりやすい例を挙げてみると、
たとえばクライアントの方が発した言葉を無視して先へ進むということや、
クライアントの方の言葉を言い直す、言い換えるということは、
してはいけないことに含まれるでしょう。
その一方で、「セラピーには、曲げてはならないルールというものは無い」
というハンス・テンダム博士の教えがあります。
こちらも、実践を続けてケースを積めば積むほど、
心から同意が出来ることに気付いてゆく教えです。
実際にあったケースからご紹介してみると、
多次元セラピーでは、原則として、
クライアントの方のリソースを使うことになっています。
そのため、外部の存在 (天使やガイド、守護存在) などには頼りませんし、
またこうした外部の存在に癒しを委ねてしまうということは、
原則としてありません。
ところが、そのクライアントの方が、
ある局面でそれを欲して明確に言葉で伝えている場合には、
その思いを尊重し、外部の存在に協力してもらって、
その方が望むとおりのやり方で、
癒しと解放を進めることになるでしょう。
クライアントの方が何も望んでいないにもかかわらず、
多次元セラピストが、ガイドや天使を勝手に召喚して
難しい局面を乗り切る手助けをしてもらったり、
セラピストは何もせずに、
ガイドや天使が解放してくれると丸投げしてしまうのは、
問題があると思います。
多次元セラピー研究会や実習では、
「基本的にしてはいけないこと」と、
「曲げてはならないルールは無い」ということがクローズアップされて、
そのどちらをも扱うことになります。
初心者である実習生の方にとってみれば、
その線引きや判断のさじ加減が、
よくわからないと感じられることもあるでしょう。
実践が浅い段階の今は、よくわからなくて当然ですし、
それでかまわないと私は考えています。
多次元セラピーは、実に奥が深いものであり、
ある程度、経験があるセラピストであっても、
さらに経験を積むことで視野が広がって理解が深まり、
考え方に変化が起こることがあるでしょう。
クライアントの方を大切に思うヒーリングマインドと、
言葉を丁寧に聴き、使っていく心遣いを大切にしながら、
失敗を恐れずに、実践を続けていっていただければと思います。